美術の「b」と医術の「e」。
ホスピタルギャラリー[be]。
デザインと医療の世界が近づけば、
世界がほんの少しだけ明るく変わるかもしれない。
徳島大学病院と武蔵野美術大学、異色コラボの結晶!
病院の待合室で不安な気持ちでいる人に、デザインは何ができるだろう?
2008 年、徳島大学病院に小さなギャラリー設置を提案した深澤直人。
しかも展示するのは、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科「形態論」の学生作品。
ものと行為をとことん観察し、そこから新たなかたちを見出す「形態論」。
「定規」と出題されれば、蚊取り線香に目盛りをつけて提出する学生。
「手」と言われれば、出来たてのクリームパンが登場(ただし紙粘土)。
あっと驚き、思わず笑ってしまう。そうだ、この瞬間を届けよう!
真剣にかたちに取り組む学生作品は、訪れる人びとに、新鮮な驚きや共感を呼び覚ます。
さまざまな感情が「感想ノート」に溢れ、ギャラリーはいつしか、ほっと和む空間へと変化していく。
【深澤直人(ふかさわ・なおと)】
1956 年山梨県生まれ。1980 年、多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒業。
2003 年にNAOTO FUKASAWA DESIGN 設立。2005―14 年、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科教授。2012 年、日本民藝館館長。2014 年より多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授。「MUJI」CD プレーヤー、「au/KDDI」INFOBAR などをはじめ、B&B ITALIA やDanese、Lamy、ERCO など、世界各国でデザインやコンサルティングを手がける。著書に『デザインの輪郭』(TOTO 出版)ほか。
【板東孝明(ばんどう・たかあき)】
1957 年徳島県生まれ。1983 年、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業。在学中からグラフィックデザイナー清原悦志氏に師事し、1985 年、郷里徳島に事務所を設立、現在も徳島を拠点に活動。2002 年より同大基礎デザイン学科教授。最近は軽量多面体構造の研究に従事し、海外の大学でワークショップを開催。研究成果をLED によるイルミネーション、竹による球体オブジェ、カーボンファイバーによる緊急避難シェルター開発に応用し、産業化を試みている。
【香川 征(かがわ・すすむ)】
1944 年香川県生まれ。1969 年、徳島大学医学部医学科卒業。1988 年に同大医学部泌尿器科教授。泌尿器系腫瘍の研究、治療に取り組む。1999―2003 年、同大医学部附属病院長。2003―10 年、同大医学部・歯学部附属病院長として新病棟の建設にあたり、院内にくつろぎの空間をつくることを提案、ホスピタルギャラリー [be] が開設される。2010―16 年、徳島大学長。
登録情報
編者 | 板東孝明 |
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執筆者 | 深澤直人・板東孝明・香川征 |
ISBN | ISBN978-4-86463-045-0 C0070 |
体裁 | 四六判/272 頁 |
刊行日 | 2016年02月10日 |
ジャンル | デザイン/芸術理論 |
正誤表 | 初版1刷 |
目次
Hospital Galler y [be] Images I
第一章 デザインができること 深澤直人
第二章 見出された「かたち」 板東孝明
武蔵野美術大学基礎デザイン学科学生作品の展示
Wire Line 「Wire Line ―針金で描く日常」展
PAPER 「PAPER―紙による記述」展
Hospital Gallery [be] Images II
わごむ 「found object 見いだされた「かたち」1 テーマ:輪ゴム」展
じょうぎ 「found object 見いだされた「かたち」2 テーマ:定規」展
とり 「とりのかたち」展
て 「手」展
かみ 「一枚の紙」展
ひも 「紐」展
TROPHY 「ポジティブなかたち TROPHY」展
徳島県在住作家の展示
いしころ 「石ころアート」展 峠 早苗
とくしまのとりたち 「徳島の鳥たち バードカービング」展 前田誠之助
クレイアート 「クレイアート小さな物語の世界」展 原田拓史
きぼり 「木彫りアートの世界」展 森下正章
カービング 「カービングの世界 生命が宿るまで」展 橋本佳直
感想ノート
第三章 美と医の出会い 香川 征
あとがきにかえて 板東孝明
資料編
関連書リンク
向井周太郎/著 / 定価:3,300円 (本体価格:3,000円)
三浦 均/著 / 定価:2,420円 (本体価格:2,200円)