ワークショップのはなしをしよう芸術文化がつくる地域社会
徳島県神山町で、北海道網走市で、長野県安曇野松川村で続く、
地域固有の記憶と文化を核としたアート・ワークショップの試み
アートやデザインは誰のものか。ワークショップを通して、生活に根づいた芸術文化の育成を実践してきた著者の、試行錯誤と結実が一冊に。徳島神山町での、子どもから大人までも巻き込んだ地域ぐるみの「私たちの町」探検や、安曇野松川村でのそれまでのワークショップの成果ともいうべき住民主体の絵本作りまで。アートとデザインの力で、本来、創造的な営みであった生活を取り戻し、それを未来へと繋いでいこう。――著者の信念と、武蔵野美術大学芸術文化学科生の自由なアイデアと、住民のエネルギーに満ちた、ひと味もふた味も違うワークショップ本。
【今井良朗(いまいよしろう)】
1946年生まれ。武蔵野美術大学造形学部産業デザイン学科卒業。1983年武蔵野美術大学着任、一九九九年まで視覚伝達デザイン学科教授、1999~2016年、芸術文化学科教授。専門は視覚表象論、メディア研究、コミュニケーション・デザイン。1976年から武蔵野美術大学美術資料図書館(現 美術館・図書館)のポスターコレクション、絵本コレクションの体系化に従事、同館副館長(1994 ~ 2000年)。絵本学会理事、同学会事務局長、会長を歴任。
1989~1991年『武蔵野美術大学六〇年史』の編集。著書に『絵本の視覚表現―そのひろがりとはたらき』(共著、日本エディタースクール出版部、2002年)『絵本の事典』(共著、朝倉書店、2011年)『絵本とイラストレーション 見えることば、見えないことば』(編著、武蔵野美術大学出版局、2014年)ほか。
1976年「近代日本印刷資料展」の企画にはじまり、ポスター、絵本、デザインに関する展覧会を手がける。「アングラ 日本のポスターアヴァンギャルド1960~1980年」(2001年)「絵本におけることばとイメージ展」(2005年)「ポーランドのポスター フェイスあるいはマスク展」(2014年)ほか。
登録情報
著者 | 今井良朗 |
---|---|
ISBN | ISBN978-4-86463-046-7 C3037 |
体裁 | A5 判/224 頁 |
刊行日 | 2016年02月10日 |
ジャンル | ワークショップ |
電子書籍 | 配信予定書店はこちら |
目次
1. 地域に密着したワークショップの試み
徳島県 神山町・勝浦町 KamiyamArt 1999-
徳島県と武蔵野美術大学芸術文化学科の連携/第一回ワークショップ「とくしま・東方・験・文・録 KamiyamArt 2000」/二〇〇二年、徳島県の事業から離れて地元の力で継続/第二回ワークショップ「みつけた!ぼくのわたしの好きな場所」/第六回ワークショップ「見つけた!神山のゆかいななかまたち!-オリジナル色紙を使ってコラージュ作品をつくろう」/キャンプファイア-共有し記憶にとどめる/地域社会と芸術文化活動
2.アートがつなぐ、人の「場」と「縁」
北海道 網走市 オホーツク ・アートセミナー 1998-2001
暮らしに根づく創造性-素晴らしい作品との出会い/日常的に繋ぎ役を担う人たちの存在/つくる喜びと楽しさをいかに見いだすか-素材・達成感・共同体/地域に根づく芸術・文化を支えるもの/エコーセンター-交流と学びを育てる場所/記憶はよみがえり、つながっている
3.生活に根づく芸術文化の実践
長野県 安曇野松川村 安曇野アートライン・サマースクール 2002-
安曇野まつかわサマースクール 2009-
作家との共同ワークショップを模索/第一回 安曇野アートライン・サマースクール「あなたの感じる安曇野をかたちに」/第二回 安曇野アートライン・サマースクール「のぞいてみようよ安曇野を!つくってみようよぼくらの王国!」/第三回 安曇野アートライン・サマースクール「みんなでさけぼう あずみっけ!! 音ぬしさまみーつけた」/第四回安曇野アートライン・サマースクール「風、青い空、ぼくもわたしもひらひらたなびく!」/第五回 安曇野アートライン・サマースクール「村へとびだせ!! イロイロワイワイ色職人」/六年目の問題検証-立場ごとに異なる目的と認識/再スタート 第六回 安曇野アートライン・サマースクール「チョキチョキ、ペッタン ただいま安曇野はりかえ中!!」/安曇野のよさを再発見する/地域活動とワークショップが抱える問題 立場の違いを超えて継続する/第七回 安曇野アートライン・サマースクール「 みんなで見上げよう、今日だけの空」/地域の文化と歴史を知ること-ワークショップの展開点/第一〇回 安曇野まつかわサマースクール「 めぐるぐるぐるおいしい記憶」/「食」をテーマに、世代を超えた取り組み/第一一回 安曇野まつかわサマースクール「めくるめく!安曇野カルタであ・い・う・え・お」/食と暮らしからみる芸術文化
4.ワークショップから絵本づくりへ 松川村の文化と食を伝える
『とんすけとこめたろう はじめての松川村』、レシピ本『松川村の行事食と伝えたい料理』
松川村+武蔵美の「絵本プロジェクト」/オリジナル絵本のアイデア/物語の構想-松川村らしい絵本/「とんすけ」+「こめたろう」の物語/「とんすけとこめたろう」の画面づくり/レシピ本『松川村の行事食と伝えたい料理』/絵本・レシピ本が繋ぐ、人と地域の活動/コミュニティを育てるワークショップ/安曇野まつかわフォーラム/記憶を語る、伝える、残す
神山・勝浦・安曇野スタッフ一覧
関連書リンク
今井良朗/編著 / 定価:3,740円 (本体価格:3,400円)
今井良朗・中川素子/編著 / 定価:4,620円 (本体価格:4,200円)
小串里子/著 / 定価:3,520円 (本体価格:3,200円)
高橋直裕/編 / 定価:2,420円 (本体価格:2,200円)
高橋陽一/編 / 定価:2,200円 (本体価格:2,000円)