美のバロキスム芸術学講義

谷川渥/著

美のバロキスム
定価:4,180円(本体価格:3,800円)
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美は、うちなる「他者」として侵犯する。

美とは何か? 芸術とは何か? グリーンバーグのフォーマリズム批評をひとつの軸に「形」と「形ならざるもの」の2000 年にわたる変遷を論じ、バロックと反バロックとしての美学を問う。70点以上の豊富な作品を参照し、美学・美術史上の理論の位相を読みやすい語り口で論じた一冊。

他校教科書採用
登録情報
著者谷川渥
ISBNISBN978-4-901631-74-7 C3070
体裁四六判/上製/ 308 頁
刊行日2006年12月16日
ジャンル芸術理論

目次

一章 絵画のフォルムとアンフォルム
プラトンのイデア論/アリストテレスのエイドス論/線と色の二元論/フィレンツェ派とヴェネツィア派/カントからボードレールヘ/ヴェルフリンにおけ るクラシックとバロック/グリーンバーグがカントから受け継いだもの/クローチェvs. ヴェルフリン/「イズム」から「アート」へ/グリーンバーグによ る六〇年代「アート」論/フォーマリズムの自己批判性/カラヴァッジオの「ルミニズモ」/ステラの歩み/だまし絵のイリュージョン/ポロックとニュー マン/「アンフォルム」とは何か/フォーマリズムの逆説

二章 20 世紀の抽象をどうとらえるか
抽象衝動/芸術の非人間化/色で音楽を奏でる/共感覚の問題/神智学の影響/純粋化/自己批判性と自己言及性/シュルレアリスムという問題

三章 「美」学講義
美学は存在する、美学者さえも……/「美学」の多義性/「趣味」という概念/美はどこに存在するか/形式主義と無関心性/カントの二つの美/シラーの 批判/ショーペンハウアーの芸術論/ディオニュソス的- アポロン的/芸術ジャンル/崇高論/美の他者性

四章 美学問題としてのバロック
様式と古典/美術史の誕生/バロックという言葉/ブルクハルトの「ルネサンス様式とバロック様式」/ヴェルフリンの「視覚形式説としての美術史」/ク ローチェのヴェルフリン批判/マニエリスムという概念/マニエリスムとバロック/フォシヨン「バロックの状態」/ドールス「アイオーンとしてのバロッ ク」/クルティウスからホッケへ/ブルトンの「魔術的芸術」/ドールス対ホッケ/プラーツとサイファー/バロックと無限性/ドゥルーズの「襞」/視覚 性と見世物性/バロック概念の整理/美学問題としてのバロック

五章 芸術終焉論とは何か
ポストモダンとは/デュシャンとアート/ローゼンバーグの「気がかりな物体」/ミニマル・アートの問題/自己言及性の帰趨/直線の時間概念/ヘーゲル と芸術の終焉論/起源に遡行できるか/日本美術の根源とは/コジェーヴの「終焉後の社会」/不可能性の現前

付-『美のバロキスム―芸術学講義』書誌目録/人名索引

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