イサム・ノグチ 庭の芸術への旅

新見隆/著

イサム・ノグチ 庭の芸術への旅
定価:3,520円(本体価格:3,200円)
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「私は長く、彫刻と社会とのあいだに、新しい関係が
つくりだされなければならないと考えてきた」
見果てぬ場所。誰のものでもない場所。
庭は、文化の原器であり、
人間の原器である。

抽象彫刻の泰斗イサム・ノグチ。日本人詩人・野口米次郎を父に、作家であるアメリカ人レオニー・ギルモアを母に、1904 年ロサンゼルスで生まれた彼は、終生、自らの「居場所」を探して旅をつづけた。国籍も年齢も問わず、いつでも誰でも受け入れられる場。ノグチの魂の旅を鎮めたのは「庭」であった。たとえば起伏だけでつくられた庭園。そこは場であり、風であり、身体である。図版55 点とともに21 世紀の庭の芸術に向かう旅。

【新見 隆(にいみ・りゅう)】
1958 年、広島県尾道生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。専門は美術史、デザイン史、美術館学。
セゾン美術館学芸員を経て、現在、武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科教授。大分県立美術館館長。
二期リゾート文化顧問。イサム・ノグチ庭園美術館学芸顧問。慶應義塾大学アート・センター訪問所員。
 著書に『空間のジャポニズム 建築・インテリアにおける日本趣味』(INAX、1992 年)、『モダニズムの建築・庭園をめぐる断章』(淡交社、2000 年)、『キュレーターの極上芸術案内』(武蔵野美術大学出版局、2015 年)、編・共著に『ミュゼオロジーへの招待』『ミュゼオロジーの展開 経営論・資料論』(同、2015、2016 年)ほか。
パナソニック汐留ミュージアムにおける「ウィーン工房 1903-1932 モダニズムの装飾的精神」展(2011年)の企画監修によって「第7 回西洋美術振興財団賞・学術賞」を受賞。コラージュ、箱、人形、焼きもの、ガラス、食の絵のスケッチで、個展も行っている。


*2018年1月刊行時データです

登録情報
著者新見隆
ISBNISBN978-4-86463-064-1 C3071
体裁四六判 上製 328 頁
刊行日2018年01月12日
ジャンル芸術理論

目次

第1 章 憧れの家-庭、この彫刻を超えるもの
第2 章 影としての「ヒロシマ」――曲線の意味するもの
第3 章 孤独なモダンの響きあい――北鎌倉の魯山人と
第4 章 マンハッタンの闇――シュルレアリズムの背理
第5 章 宇宙庭園という陶彫――再び鎌倉
第6 章 幻の北京――生命潮流とアジア的バロック
第7 章 詩人の部屋から――ノグチのインテリア
第8 章 三田山上――未来人の集うアクロポリス
第9 章 「どこでもない庭」の現前――草月会館ロビー「天国」
第10 章 時間の庭、未来の共感共同体――札幌モエレ沼公園
第11 章 ヴィーナスの所在――舞踊する庭、モエレから牟礼
第12 章 母への巡礼、あるいは魂の舞踊――高松、牟礼
あとがき
イサム・ノグチ 略年譜
主要参考文献 

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