光と闇、闇を支配する音楽と言葉、躍動する肉体。
演劇実験室◉万有引力による上演をDVDに収録。
舞台美術家・小竹信節の情熱が炸裂する2時間。
寺山修司主宰の演劇実験室◉天井棧敷における後期寺山作品すべての舞台美術を担当した小竹信節は、国内外の舞台美術を数多く手がけてきた。1978年アムステルダムでの初演以来、世界主要都市で上演されてきた『奴婢訓』。天井棧敷解散後、演劇実験室◉万有引力が継続し、2019年には小竹信節の本学退任記念公演として上演された。ダイナミックで幻想的な舞台表現。光と闇、闇を支配する音楽と言葉、躍動する肉体。限りなく濃く密やかな舞台を写真と映像で綴った記念すべき1冊。
[協力] 演劇実験室◉万有引力 テラヤマワールド 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科研究室 武蔵野美術大学 美術館・図書館 記録映像:大田晃、黒澤誠人、菊池直記 カバー(表1)、ディスクラベル撮影:稲口俊太 舞台撮影:小竹信節(pp.4-8, 12)、三本松淳 装幀・本文組版 寺井恵司
小竹信節(こたけ・のぶたか)1950年東京生まれ。
1975年から八三年まで演劇実験室◉天井桟敷の美術監督として「奴婢訓」「ノック」「阿呆船」「レミング」「百年の孤独」など、後期寺山修司全作品の舞台美術、衣裳デザイン及び映画美術を担当。その後、ロベール・ルパージュ、ペーター・ストルマーレ(スウェーデン王立劇場)らのシェイクスピア劇、白井晃の新国立劇場「テンペスト」やKAAT「夢の劇」、蜷川幸雄の「身毒丸」、マイケル・ナイマンのオペラ、沢田研二や松田聖子などのコンサート・ツアーなど数多くの舞台美術を手がける。
1991年度スパイラルホール(株式会社ワコールアートセンター)の芸術監督に就任し、「新機械劇場」「ムュンヒハウゼン男爵の大冒険 The Surprising Adventures of Baron Munchausen」など、人間のいない装置のみによる演劇を試みる。造形作家として、パリ・ポンピドゥー・センターやアヴィニョン・フェスティバルにおけるジャン・ティンゲリーらが参加の自動機械をテーマとした「感傷の機械展 Les Machines Sentimentales」やフランス・ランス、ギリシャ・テサロニックでの「オートマタとロボット展 Automates etRobot」などにアジアから唯一の招待出品。
平成7年度文化庁芸術家在外派遣研修員として英国王立シェイクスピア劇団Royal ShakespeareCompanyにおいて1年間研修のためロンドン在住。ニューヨークADC賞銀賞、テレビCMでACC地域賞、日本ディスプレイ・デザイン年賞優秀賞、読売新聞演劇大賞優秀スタッフ賞など受賞。ほかに、松屋銀座「机の上の空想玩具展」や佐賀町エキジビット・スペース「倫敦絵日記」などの個展がある。
1997年武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科教授に着任。2020年3月退任。
*2020年3月刊行時データです
登録情報
著者 | 小竹信節 |
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ISBN | ISBN978-4-86463-111-2 C0074 |
体裁 | B5判変型/4色刷/64頁/DVD(124分)付 |
刊行日 | 2020年03月31日 |
ジャンル | 美術/写真・映像 |
正誤表 | 正誤表 |
目次
ムサビで奴婢訓をつくる[小竹信節] 初演MICERY THEATER 武蔵野美術大学美術館2019 装置——聖主人のための機械 自動人形——静止した肉体 零場◉2019.7.7.18: 30—19:00 第一場◉聖主人 第二場◉月蝕譚 第三場◉犬の戴冠 第四場◉鞭 第五場◉歌う戸棚 第六場◉酢の壜 第七場◉下女シンデレラ 第八場◉少年礼儀作法読本 第九場◉遊 第十場◉誰が殺した、駒鳥を 第十一場◉包帯の川 第十二場◉目玉ゲーム 第十三場◉主人さがし——逆転テーブル 第十四場◉米喰い 第十五場◉馬の蹄鉄をうたれた下女のオペラ 第十六場◉最後の晩餐 第十七場◉その前夜 第十八場◉南十字星を撃て! 第十九場◉不在 奴婢訓 上演記録
関連書リンク
小石新八/著 / 定価:2,090円 (本体価格:1,900円)