デザインとは色とかたちを繙く
壮大な叙事詩であり
人類の進化をめぐる形象の記憶に
根ざした身振りである
ほんの少し太陽を見つめて目を閉じると、まぶたに残像が現れる。最初はオレンジ、やがてじわじわと別の色が広がり、その形はまるで蝶の翅にある眼状紋のようだ……私たちの身体の内に太陽が潜んでいる。「内」と「外」という「あいだ」に近代を読み解く博覧強記のデザイン論。バウハウス運動の原像(ウアビルト)をいかに継承し、変革(メタモルフォーゼ)させていくか、今日の課題に迫る。『かたちの詩学』待望の再編復刊。
1932年、東京生まれ。デザイナー、デザイン教育者。
1955年、早稲田大学商学部卒業。同文科系大学院商学研究科(ドイツ経営経済学専攻)在学中にJETROのデザイン留学制度で1年間、ドイツ・ウルム造形大学に留学。
同大学においてマックス・ビル、オトル・アイヒャー、マックス・ベンゼ、トーマス・マルドナード、オイゲン・ゴムリンガー、ヘレーネ・ノンネ゠シュミット、エリーザベト・ヴァルターらに学ぶ。
1957年に帰国後、通産省工業技術院産業工芸試験所意匠部研究生、豊口デザイン研究所(インダストリアル・デザイン、インテリア・デザインに従事)を経て、1963-64年、ウルム造形大学インダストリアル・デザイン研究所フェロー及び1964-65年、ハノーファー大学インダストリアル・デザイン研究所フェローとしてデザインの研究開発と教育に従事する。
1965年、帰国後、武蔵野美術大学で新設学科として基礎デザイン学科(67年発足)の起案と設立に従事。以後、デザイナーとして活動する一方、同学科において、デザインの領域横断的な新しいタイプの人材の育成とデザイン学の形成に力を注ぐ。2003年より武蔵野美術大学名誉教授。
著書に『かたちの詩学 morphopoiēsis I・II 向井周太郎著作集+向井周太郎コンクリート・ポエトリー選集』(美術出版社、2003年)、『デザイン学 思索のコンステレーション』(武蔵野美術大学出版局、2009年)、共同監修『最新・現代デザイン事典』(平凡社、2017年)、共訳『バウハウスの人々 回想と告白』エッカート・ノイマン編(みすず書房、2018年)などがある。
*プロフィールの内容は、出版刊行時のものです。
登録情報
著者 | 向井周太郎 |
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ISBN | ISBN978-4-86463-116-7 C3070 |
体裁 | A5判変型/322頁 |
刊行日 | 2021年02月01日 |
ジャンル | デザイン/芸術理論 |
目次
生知としてのデザイン あいだに
いのちの原像と変容
太陽残像
擬態 眼状紋の謎
負の擬態 迷像
両義像 意味の空隙
螺旋 全義像
大気 多義像
樹景 潜像
緑蔭空間 想起像
夢遡行 念像
観る 共感像
地景 遠近像
原像の崩壊
かたちの誕生 身振りといのち
あとがき―創造の恵みへの感謝のために
「内なる光」としての詩学 板東孝明
初出一覧
書評・紹介
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