アニメーション想像をいざなう形と動き
微妙なタイミングのずれ、間の取り方、
動きの速度、形の変化など、私たちの感覚を
作品化するために必要な技法を追究
アニメーションとは、人間の視覚の性質を利用して、静止したイメージ(画像)から動きのイリュージョンを得る技術である。フェナキスティスコープに始まるその原理と歴史を序論とし、写真・映画の誕生、コンピュータの介在を作品紹介により提示。具体的な「タイミング技法」を解説しつつ、知覚の探求と表現の可能性を論じるアニメーションの「造形原理」。著者のサイトに連結するQRコードを随所に配した画期的な「動く」技法書。
西本企良(にしもと・きよし)
1951年生まれ。アニメーション制作者として、博覧会や博物館の展示ソフト、TVコマーシャル、プロモーション・ビデオ、テレビの科学番組の解説アニメーションなど多様な分野で活動。マルチメディアの草創期におけるソフトの開発にも関わる。2005-22年3月、武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科教授。22年4月より本学名誉教授。
登録情報
著者 | 西本企良 |
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ISBN | ISBN978-4-86463-148-8 C3072 |
体裁 | A4判変型 4色刷 並製 144頁 |
刊行日 | 2022年03月31日 |
ジャンル | 写真・映像 |
正誤表 | 正誤表 |
目次
はじめに
第1章 アニメーションの原理
1─映画とアニメーションの原理
2─映画前史
3─アニメーション表現の歴史
4─アニメーションの技術的特性
5─アニメーションの原理を用いた装置紹介
第2章 タイミング技法
1─距離感と質感
2─基準点(ローカル座標系とグローバル座標系)
3─予備動作と後動作
4─動きの「ずれ」
5─繰り返しの表現
6─人の「歩き」
7─反応(リアクション)
8─間合い(止めの時間)
9─音響効果
第3章 アニメーション表現の可能性
1─リピート
2─メタモルフォーゼ
3─シンボライズされたイメージ
4─インタラクティブな表現
第4章 知覚の探求とアニメーション表現
1─形と動きの補完
2─形の単純化
3─見立てのアニメーション
appendix 1:テレビ映像の仕組み─走査線について─
appendix 2:映像表現の諸要素
appendix 3:ロトスコープによるアニメーション作成の留意点
appendix 4:ノーマン・マクラレンとNFB
appendix 5:ヤーコプ・ユクスキュルと環世界
appendix 6:木下蓮三・小夜子夫妻の活動
あとがき
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