約束の凝集αMプロジェクト2020-2021

長谷川 新・gallery αM/編

約束の凝集
曽根裕(PP.4-5)
永田康祐(PP.22-23)
黑田菜月(PP.44-45)
荒木悠(PP.66-67)
高橋大輔(PP.82-83)
定価:2,200円(本体価格:2,000円)
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2020年から2021年にかけて、ムサビのgallery αMで開催された連続展を誌上で再現。永田康祐・福尾匠・蔵屋美香らのテキストに加え、清原惟×黑田菜月の対談、千種創一の新作短歌に、徳永葵の描き下ろし漫画を収録。中とじ冊子「プレ記録集」も!

各位が培ってきた技術は、「妥協」のために、つまりは部分的であったり矮小化されて行使されるべきではない。アートは、「アートなんて無意味だ」とか「どうせいつか死ぬ」とかいう地点にたどり着いてしまってから、むしろそこから、そこをどう折り返して、還ってくるか、という、いわば「帰還の技術」の連続である。

(キュレーターズノートより抜粋)

ゲストキュレーターに長谷川新を迎え、曽根裕、永田康祐、黑田菜月、荒木悠、高橋大輔ら5人の作家の「帰還の技術」を目撃する展覧会の記録。デザイン・熊谷篤史。

 

[掲載作家]
曽根裕+永田康祐+黑田菜月+荒木悠+高橋大輔

 

[掲載作家プロフィール](本文より)

▊曽根裕(ソネ・ユタカ)
1965年生まれ。中国、メキシコ、ベルギー、日本にて活動を行う。主な個展に「Obsidian」四方当代美術館(南京、2017年)、「Day and Night」David Zwirner(ニューヨーク、2016年)、「Perfect Moment」東京オペラシティアートギャラリー(東京、2011年)、「Like Looking for Snow Leopard」Kunsthalle Bern(ベルン、2006年)、「ダブル・リバー島への旅」豊田市美術館(愛知、2002年)など。主なグループ展に「東京インディペンデント」陳列館(東京、2019年)、「Sanguine: Luc Tuymans on Baroque」プラダ財団(ミラノ、2018年)、ホイットニービエンナーレ(ニューヨーク、2004年)、「ヘテロトピアス(他なる場所)— 曽根裕 小谷元彦」第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館(ヴェネツィア、2003年)、「EGOFUGAL」第7回イスタンブール・ビエンナーレ(イスタンブール、2001年)、「移動する都市」(ウィーン、ボルドー、ニューヨーク、フムレバク、ロンドン、バンコク、ヘルシンキ、1997-1999年)、ミュンスター彫刻プロジェクト(ミュンスター、1997年)など。

 

▊永田康祐(ナガタ・コウスケ)
1990年愛知県生まれ。社会制度やメディア技術、知覚システムといった人間が物事を認識する基礎となっている要素に着目し、あるものを他のものから区別するプロセスに伴う曖昧さについてあつかった作品を制作している。主な展覧会に『あいちトリエンナーレ2019:情の時代』(愛知県美術館、2019)、『オープンスペース2018:イン・トランジション』(NTTインターコミュニケーションセンター、2018)、『第10回恵比寿映像祭:インヴィジブル』(東京都写真美術館、2018)などがある。また、主なテキストとして「Photoshop以降の写真作品:「写真装置」のソフトウェアについて」(『インスタグラムと現代視覚文化論』所収、2018)など。

 

▊黑田菜月(クロダ・ナツキ)
1988年神奈川県生まれ。2011年中央大学卒業。2013年第8回写真「1_WALL」にてグランプリを受賞。主な展覧会に、「けはいをひめてる」ガーディアン・ガーデン(東京、2014)、「わたしの腕を掴む人」ニコンサロン(東京、大阪、2017)、「友だちの写真」ギャラリーOGU MAG(東京、2018)などがある。また、2016年からは横浜市立金沢動物園にて毎年行われているメディアアート展「ひかるどうぶつえん」に参加。2019年には同園にて写真と映像のグループ展「どうぶつえんの目」横浜市立金沢動物園(神奈川)を企画した。

 

▊荒木悠(アラキ・ユウ)
1985年生まれ。山形県出身。大学で彫刻を、大学院では映像を学ぶ。主な個展に「三泊五日」板室温泉 大黒屋(栃木、2021)、「RUSH HOUR」CAI02(北海道、2019)、「ニッポンノミヤゲ」資生堂ギャラリー(東京、2019)、「双殻綱:第一幕」無人島プロダクション(東京、2017)、「複製神殿」横浜美術館アートギャラリー1/Café小倉山(神奈川、2016)。近年の主なグループ展に「Returning: Chapter 1」シドニー・オペラハウス(オンライン、2021)、「Connections―海を越える憧れ、日本とフランスの150年」ポーラ美術館(神奈川、2020)、「The Island of the Colorblind」アートソンジェ・センター(ソウル、2019)など。第5回Future Generation Art Prizeファイナリスト。

 

▊高橋大輔(タカハシ・ダイスケ)
1980年埼玉県出身。画家。2005年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業。近年の主な展示に「絵画の在りか」東京オぺラシティ アートギャラリー(東京、2014)、「ペインティングの現在—4人の平面作品から—」川越市立美術館(埼玉、2015)、「NEW VISION SAITAMA 5 迫り出す身体」埼玉県立近代美術館(埼玉、2016)、「眠る絵画」viewing space、URANO(東京、2018)、「自画像」Art Center Ongoing (東京、2018)、「太田の美術vol.3『2020年のさざえ堂——現代の螺旋と100枚の絵』」太田市美術館・図書館(群馬、2020)、「青いシリーズ/どうして私が歩くと景色は変わってゆくのか」Second 2.(東京、2021)など。

 

 

■長谷川 新(ハセガワ・アラタ)
インディペンデントキュレーター。1988年生まれ。アメリカ、ソルトレイクシティ出身。京都大学総合人間学部卒。αMプロジェクト2020–2021ゲストキュレーター。
主な企画に2019–「グランリバース」(メキシコシティ、ベラクルス)、2019「STAYTUNE/D」ギャラリー無量(富山)、2017–2018「不純物と免疫」トーキョーアーツアンドスペース本郷(東京)ほか、2016–2017「クロニクル、クロニクル!」クリエイティブセンター大阪(大阪)、2015「パレ・ド・キョート/現実のたてる音」ARTZONE(京都)、2014「無人島にて—『80年代』の彫刻/立体/インスタレーション」京都芸術大学 ギャルリ・オーブ(京都)、2013–2014「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI—交錯する現在—」チーフキュレーター。
国際美術評論家連盟会員、国立民族学博物館共同研究員、日本建築学会書評委員、PARADISE AIR ゲストキュレーター、スタジオ四半世紀、SNZ。

■gallery αM(ギャラリーアルファエム)
1988年より武蔵野美術大学が運営するノンプロフィット・ギャラリー。ジャンルを問わず質の高い表現と可能性を有するアーティストに作品発表の機会を提供すること、社会に斬新な価値を発信できるキュレーターに展示企画の場を提供すること、の2点をコンセプトに、毎年ゲストキュレーターによる企画展示を開催している。

登録情報
編者長谷川 新・gallery αM
執筆者長谷川新・曽根裕・永田康祐・黑田菜月・荒木悠・高橋大輔・福尾匠・千種創一・清原惟・蔵屋美香・德永葵・𡈽方大
ISBNISBN978-4-86463-151-8 C0070
体裁A4判変型(H255 x W212 x D 19 mm ) 並製 4色刷 208頁 /別途中とじ A5判・48頁
刊行日2022年08月29日
ジャンル美術/芸術理論

目次

記録篇

 03 曽根裕|石器時代最後の夜

 22 永田康祐|イート

 41 黑田菜月|写真が始まる

 60 荒木悠

 79 高橋大輔|RELAXIN’

 100 ご挨拶

 101 謝辞

 102 展覧会データ

 103 目次

 104 展覧会タイムライン

 106 キュレーターズノート

 110 ⻑⾕川新 出来事に形を与える

 114 曽根裕 The Last Night of the Stone Age

 116 ⻑⾕川新 開かれた⼝とその敵

 120 ⻑⾕川新 露光時間

 124 荒⽊悠+⻑⾕川新 ライナー・ノーツ

 128 高橋大輔 制作に関する今の気持ち

 129 長谷川新 Re:制作に関する今の気持ち

 132 凡例

 133 略歴・出品リスト・マップ

 142 奥付

 

寄稿篇

 長谷川新 確率を上げる(鷲ノ山)四

 福尾匠 スモーキング・エリア#1 煙草とおなじくらい分煙が好き 六

 福尾匠 スモーキング・エリア#2 音響空間の骨相学 八

 永田康祐 ライク・ルッキング・フロム・ゼロ・ディスタンス 一〇

 福尾匠 スモーキング・エリア#3 僕でなくもない 二〇

 福尾匠 スモーキング・エリア#4 時間の居残り 二二

 千種創一 Trans- 二五

 福尾匠 スモーキング・エリア#5 痛み、離人、建て付けの悪い日々 三六

 清原惟×黑田菜月対談 写真が始まる、前に。 三八

 蔵屋美香 悠☆悠☆白書(または旅するアーティストのリミックス) 四六

 野帖メモ 五三

 德永葵 シロツメクサ 五九

 Appendices 六三

 オンラインラジオ

 2019年11月28日/2020年3月27日

 長谷川新 FLOATIN’

 展覧会DM

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