4月10日発売予定の、富松保文先生訳・注
『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』の見本が
届きました。
わぁぉ、なんてかわゆい仕上がりでしょう!
下手な写真で恐縮です。
何もないところから像がとつぜん現れるような
木炭デッサンの一部のような
水墨画の一部のような
影のような
光のような
水面のような
幽霊のような
この魅力的な装幀は、寺井恵司さんによるものです。
通信教育課程の教科書は初学者向けの本が多く、
読者は、ひとりで自分の手足をつかってハシゴで
上へ上へと登ってゆく、そんなイメージがあります。
それゆえ、丈夫な、しっかりとしたハシゴを
つくらねばなりません。
いくつもの通り道があるものの、まずは1つのルートを
体に覚えさせて、あとでいかにも応用が利くように、
しなやかな筋肉がつくように、
・・・と願いながら編集に携わっています。
が、『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』は
もちろん通信教育課程の教科書ではなく、
手ごわい現象学の翻訳。
(編集のあたまの切り替えが、なかなかできない)
とはいうものの、この本は課外授業で「わかんない」
を繰り返す学生に向かって「僕がぜんぶ訳し直そう」
と生まれた「富松版『眼と精神』」
「訳者まえがき」を読むだけでも、かなりわかった
(ようなとても良い)気分が味わえます。
しかも翻訳には脚注だけでなく、巻末にこってりと
補注がつきます。
ゆきつもどりつ、なんどもなんどもくりかえして読む。
現れては消える
消えては現れる
たまには哲学書を手にしませんか?
[編集:ハムコ]
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