メルロ・ポンティが1961年5月3日に亡くなったとき、彼は『見えるものと見えないもの』という著作の執筆中で、机の上にはデカルト全集の一冊が開かれていたそうです。
富松保文訳・注『メルロ・ポンティ『眼と精神』を読む』の「訳者まえがき」を読んでます。
「『眼と精神』の半分はデカルト的思考様式への批判に当てられているが、残りの半分はセザンヌを中心に近代絵画の考察に当てられている」そうです。
「眼」はセザンヌであり、「精神」はデカルトであろうと訳者は言います。
ですので、ジャコメッティ「男の肖像」、レンブラント「夜警」、セザンヌ「サント・ヴィクトワール山」をはじめ、スタール、ドローネー、クレー、マティス、ムーア、ブラック、そしてデュシャンの「階段を下りる裸体No.2」他の画像が収録され、本文に対応した詳細な注が同じページに掲載されています。
これは凄く読みやすいのです。
月曜社のブログでも注目の新刊として取り上げていただきました。
デリダ、ドゥルーズ、ガタリまではなんとか手が届いても、メルロ・ポンティは…という話はよく聞きますが、そういう方はもちろん、
よくわかんないけど、それ面白いですか? という方にもぜひ手にしていただきたい一冊です。
この本は見た目も、持ち心地もたいそうよろしいです。
編集:t:eeh
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