夏の終わりに蝉が精一杯鳴いてます。
お盆前、あちこちで寿命を全うした蝉を見かけました。MAUPでも。
体の構造上、命を終えた蝉はおなかを上にするものなだそうですが、そのようにひっくり返った大きな蝉がいたので、ありゃーと思い手にしたところ、まだ生きていて、やたら暖かかった。
変温動物だから、たぶんコンクリートの上で陽に炒られたせいなのですが、手にした瞬間、生物の体の熱だ、生きてるから暖かいんだと思っちゃいました。
木に捕まっている脚力がなくなるから地面におちてしまうわけですが、うつぶせに静かに地面におろしたところ、力のなくなった前脚でコンクリートを掴んで、ジリジリと向きを変えている!!
細い脚先がコンクリートを掴む様子がとても厳かで、邪魔をしてはいけない気がしました。
しばらくしてから、様子を見に行きました。南向きにおろしたはずの蝉は東を向いていて、生きているのかどうか、もはやわからない。
蟻が寄ってくるだろうし、風が吹けば飛ばされてしまうかもしれない、大きな鳥に見つけられるかもしれない(生きていたってそうですが)。それでもコンクリートを掴む蝉の最後の様子を思うと、むやみに手を出してはいけない気がしました。
で、お盆あけ。びっくりするほど超けたたましい蝉の鳴き声がし、蜘蛛の巣にでもひっかかったのかと庭に飛び出したとたん、木の上から大きな蝉が落ちてきました。触っても熱も動きもなく、こちらは手を出してリュウノヒゲの上に置きました。
今日も蝉がかしましく鳴いてます。土から生まれ、1週間からひと月生きてやがて土に戻る、あっぱれな夏の蝉の声です。
編集:t:eeh
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