7月10日、第44回造本装幀コンクールの表彰式がありました。これは東京ビッグサイトで開催されている国際ブックフェアの併設イベントでもあり、ブックフェア会場には受賞作品が一堂に展示されます。土曜日で、ブックフェア会場はたいへんな人出でした。表彰式と記念パーティーは会場近くのレストランで行われました。
文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、東京都知事賞の三賞、審査員奨励賞(5作品)、日本書籍出版協会理事賞(9作品)、日本印刷産業連合会会長賞(12作品)のほか、後援団体賞4作品、国民読書年特別賞1作品の総計34作品の表彰です。たいへんな盛会でした。
『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が受賞したのは、三賞に次ぐ審査員奨励賞です。MAUPのほか、デザイナー・寺井恵司、印刷・精興社、製本・大進堂が表彰されました。
たとえば、本の触感、質感。ページを繰る時の紙のひんやりとした質感。本の重さ。
ページを繰るという身体の動きと読書の醍醐味の関係。
ページを繰ることで生まれる時間と空間の厚み。等々。
さらに、機能とデザイン、流通とデザインのベストバランス。美しくかつ流通に耐える丈夫さと機能性。
審査員の方々が実に真剣にあらゆる方向から1冊の本を論じている様子が伝わってきて、こんなにシビアな審査を経て受賞できたのか…じわり、感動です
厳しいだけではなく、読書することや書物への深い愛情にも満ちていて、すごく名誉な賞をいただいた気がしました。
講評に立った全ての方が口にされたのは、電子図書と、具体的なものとしての本の共存でした。電子図書が登場したからこそ、物としての本のあり方をより真剣に豊かに考えられると。
そこで、
本好きなあなた!! あなたは本に何を求めますか? 俺の求める本の美、本の価値はこんなふうだ、というこだわりがありましたら、どんどんコメントください。
そして、こだわりを持つあなたにうれしいお知らせです。大学出版部協会発行の小冊子『大学出版』83号に、本学を退任された酒井道夫先生の本を巡るあれこれ、とってもフェチな本への愛!?のお話が載ります。今年の9月には書店に並ぶとか。9月になったら急げ!!書店へ。
編集:t:eeh
コメント
t:eehさん、はじめまして音量子っぽんと申します。
>本好きなあなた!! あなたは本に何を求めますか? 俺の求める本の美、
>本の価値はこんなふうだ、というこだわりがありましたら、どんどん
>コメントください。
『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』の装丁を見たとき、『武満徹全集』を思い起こしました。白がベースで、そのせいかcoolで冷たいように感じました。
白をベースとしたものは好きなのですが、汚れが目立つんですよね…
話は変わりますが、iPadの登場を武蔵野美術大学出版局の方々はどう考えておられるんじゃろうか…
こういう議論はパソコンの登場の時にもあったんじゃけど。
わしの私見では、紙ベースの本というもののブラウジングのしやすさは、他の媒体に比べて飛び抜けておると思う。でも、時代の流れから…
コメントありがとうございます。
やっぱりケージは白でしょう、ということでして、歳月とともに重なる汚れもまた本になくてはならないもの、と考えたいところです。なんせアナログ人間です。でもコンピュータ使ってますよ。ヨタヨタしつつ。