3月1日から14日まで、東大寺でお水取りが行われてます。お水取りの時期に春の雨が降り、それにあわせるように椿の花が咲いて散ってゆく、ような気がします。椿の花があらかた散ると3月11日がきます。いつもそんな気がしてます。
これは椿ではないけれど、2月いっぱい部屋を明るくしてくれた冬のバラの蕾の最後の姿です。淡いピンクの花なのに、冬の蕾は光を集めたように赤く染まります。この時期の花はいずれも春の先駆けか、春への供物のように思えます。
お水取りは、もとは旧暦の2月に行われていたので修二会といい、もっと正式には「十一面悔過」というそうです。わたくしたちが犯す無数の過ちを二月堂の御本尊である十一面観音の前で懺悔するという意味があるそうです。
もうずいぶん前ですが、夜を徹しての修行を「局」と呼ばれる小さな空間から見ました。夜の9時ごろから朝の4時まで。炎と、炎に照らし出される影と煙と香と声明と。若いお坊さんが身を投げ出す五体投地をかいま見て、真面目に生きてかなくちゃと思ったりしました。でもすぐ忘れちゃうのですが、人は思い出すことができます。年年歳歳、花を見て、花は同じではないけれど、だからこそ「忘れちゃならん」と思います。
編集:t:eeh
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