雲仙普賢岳・大火砕流災害発生から30年

今日の東京地方、雲が多めながら基本的に良いお天気。気温も高めで、出勤の際半袖の方を多く見かけました。
ちょうど30年前の1991(平成3)年6月3日。当時、噴火活動が続いていた長崎県の雲仙普賢岳でそれまでにない規模の大火砕流が発生し、報道関係者など43名が犠牲となる大惨事となりました。ニュースで目にした映像は、その後の東日本大震災時の津波の映像同様に現実のこととはにわかには信じられないような有り様で、「火砕流」という言葉が強く心に刻まれました。あらためまして、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。

その被災地で、災害の翌年から定点観測などのフィールドワークを行いながら「普賢岳プロジェクト」としてさまざまな活動を続けておられるのが本学共通絵画研究室の大浦一志先生です。現在、その活動の一つとして2011年から2016年にかけて行われた「被災民家発掘」の記録を、一冊の本にまとめる計画が進められています。災害直後の爪痕も生々しい時期から、噴火活動もおさまりその後の復興作業が進められた現在に至るまで、ずっとその地に立って見続けてこられた先生のお話からは、自然と人間の関わりを体で感じることの大切さが伝わってきます。先生が必要に迫られて行った作業が、図らずもランド・アートの様相を呈する様などをとらえた興味深い写真も満載。
今年の秋の刊行を予定しています。乞う、ご期待!

(編集:凹山人)

コメント