校了『造形実験 新しい美術の授業を始めよう!』

三澤一実先生編『造形実験 新しい美術の授業を始めよう!』が昨日、校了となりました。
刊行が大幅に遅れた理由の一つは、弊社の移転です(汗

しかし、吉祥寺校から鷹の台キャンパスに移転して、よかった!としみじみと感じるのは、学内の著者の先生方との距離が縮まったこと。
三澤先生の教職研究室と出版局は、徒歩66歩。最短距離の研究室です。
ほんのちょっと相談する、気になるところをうかがうのに、今まではpdfのやりとりがほとんど。
しかし、対面のほうが(当たり前ですが)情報量はずっと多いのです。
「用事」だけではなく、「ついで」の話が重要で、それが次の企画になったり、新しい著者との出会いにつながったりする。コロナ禍を経て、改めて「対面」の重要性を噛み締めています。

「造形実験の「白焼き」が出校されました。どうぞ、見にいらしてくださいませ。」とハムコがメールすると、
「わさび醤油を持って食べに行きます。」という三澤先生のお返事が届く。
著者の先生に「白焼き」を確認していただくことは滅多にないのですが、ご近所なので、つい。。。

装丁は、臼井新太郎さん。
「還暦記念に赤い本をつくりたいの」というアホな希望に対して、
「赤い本って、結構あるんだよねぇ」と首をひねった臼井さん。

中学校の美術の時間、たとえば「緊張感を考える」というテーマに取り組むとどうなるか?
まずは言葉で、どんな時に緊張感を感じるのかを挙げていく。
自分が感じる緊張感と、クラスメートの感じる緊張感は同じなのか違うのか?
そして、自分の考える緊張感を表現するにはどうしたらいいのか、次々と「実験」していく。
「お手本」なんてない。模索して、失敗して、またやってみる・・・そうすると、なにが生まれると思いますか?
という内容なんです、と臼井さんに説明。

臼井さん曰く「攻めてる内容なんだけど、一緒にやってくれる人がいて初めて成立するんだから、やっぱり余白が必要だと思うよ」
というわけで、このような装丁になりました。

『造形実験』は、マニュアルではありません。技法紹介でもありません。
なぜ、このメソッドが広がりつつあるのか。
三澤先生の四半世紀以上におよぶ研究により、ついに編み出されたメソッドだからです。
(編集:ハムコ)

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