先日、埼玉県内にある某デパート8階にある書店に
ふらりと寄ったところ、
「しおりが不足しております。ご入り用の方は
お申し付けください」
と手書きの紙が貼ってあった。
翌日、営業ズッチ☆に相談。ジョン・ケージのしおりをハムコが
届けることになった。営業「代行」である。
編集者が書店に「営業」に行く、あるいは担当した本を書店で
プレゼンするような機会はまったくない。
大学出版部協会の研修で、書店に御挨拶に行くことはあるが、
よく考えてみると、ひとりで「営業」に行くのは初めてだ。
書店員さんと編集者は、ほとんど接することがないのだが、
ジュンク堂新宿店の「建築関係書籍担当者様」宛にハムコは
ファンレターを書いたことがある。
MAUPで板垣鷹穂『建築』を刊行したとき、ジュンク堂新宿店では
もちろん面陳(書棚に表紙を出して並べる)をしてくれたのだが、
その隣に長谷川堯先生の『神殿か獄舎か』(復刻版、SD選書)が
おなじく面陳でならんで置かれていたのだ!
なんたる憎いセンス!
長谷川先生は板垣鷹穂の最後の弟子であり、
『建築』の帯は、名は伏せたが長谷川先生の惹句なのだ。
これを知ってか知らずか・・・感動のあまりハムコはさっそく
ファンレターをしたためた。
後日、ズッチが営業に行くと、ファンレターを手にした書店員さんが
「じつは、なんとなく並べただけなんですよ」
と告白してくれたそうだ。
「なんとなく」おなじ空気をまとった本に仕上がっている、
ハムコはいっそう嬉しくなった。
さて、はじめてのおつかい。
営業スマイルで店長さんにしおりを持参したところ、
「あ、そ」と邪険に云われてオワリ。
営業って、日夜こういう思いをしているんだなぁ・・・タイヘン。
[ぱしり:ハムコ]
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