8月26日、サントリーホール小ホール(ブルーローズ)でのミュージサーカスへ行ってきました。ジョン・ケージ生誕100年を祝う催しです。
ミュージック+サーカス=ミュージサーカス。これはケージが造った言葉で、同じ会場で様々な上演が同時に進行するマルチメディア・パフォーマンス!!
いつどこで誰が何を見せ、聴かせてくれるのか全くわからない。これはもう白紙でその時出会った音、ハプニングを楽しむしかない。
というわけで、全然マニアックではない、ミュージサーカスのんびり紀行みたいなご報告です。
ちなみに上の写真はt:eeh撮影。ミュージサーカスっぽくないですか? 種明かしは下記参照。
オープニングアクトは千宗屋さんの献茶、珠寶さんの献花、宮田まゆみさんの笙の献奏がありました。
ブルーローズの壁に川村龍俊さん所蔵のケージの版画作品が5点並んでいます。
その手前には、杉本博司さんの作品「ファラデー・ケージ」が。壊れかけた鳥籠の中で激しい放電が起き、その音と光にの激しさに一瞬たじろぎ、「雷鳴」が消え、後ろから響くピアノの音に気づきます。
井上郷子さんによるプリペアドピアノの演奏です。パラパラと降る雨音のような下降音。そして宮田まゆみさんの笙の音、休止符のようにたまに鳴るバイオリンの弦の音。
たとえばの話ですけれど、19世紀あたりの交響曲がそれぞれの楽器の音をぎりぎりと撚り合わせ堅固な音の楼閣を作ろうとしたのだとしたら、
ケージの音楽は、その楼閣を単体の音にほどいて、1音ずつ空中に解き放つようなそんな音楽だなぁ、と思いながらうっとりと聴いていました。音の揺りかごみたいでしたね。
上のものすごい手ぶれした写真の種明かしです。
第2部は、ブルーローズから拡散して外のホワイエへ。村治奏一さんがギターを演奏し、沈香の中、珠寶さんが立花を。蓮の花です。ゴージャス。
ホワイエの、ブルーローズの入り口にあるグランドピアノは鍵盤に鉛筆や消しゴムなどを載せて自動演奏していました。鍵盤の上下で鉛筆が揺れてガチャガチャと鳴り、あるものは床に落ちる。それがこれです。立派なグランドピアノが急にお茶目な人になったようで、おかしい。
編集:t:eeh
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