三嶋典東先生のこと
「企画の相談があるのだけれど」という電話をいただいたのは2009年の春先のこと。視覚伝達デザイン学科で三嶋先生が担当しているイラストレーションの授業と、そのメソッドを支える線描論を1冊にまとめたい、というご相談だった。「イラストレーション」とはいえ、授業は机に座るどころか、跳んだり走ったり、身体全身から出てくる線を描くといういかにも美大らしい面白さがあり、嬉しくなってハムコはさっそく企画書を書いた。最初の企画書の日付けは2009年5月13日、タイトルは『illustration線の冒険教室』になっている。その前の月に、三嶋先生は大著『LINESTYLE』を上梓されたばかりで、ノリにノってるかん...