漆は素敵 !!『日々の器 悠久の漆』刊行その3
それは15年前のこと。通信教育教科書『木工 樹をデザインする』を制作していた時、テキスト巻末の漆の作品制作のページをまとめつつ、いつか十時啓悦先生の漆の本が作りたいなぁと夢想したのでありました。漆作品の造形の素晴らしさはもちろん、樹木や木の道具への十時先生の考えを一冊にまとめたいなと。それは、自然から生まれたものを自然に還すという循環の中で制作したいという作家としての姿勢に共感したからでもありました。十時先生は木地制作から加飾まで一貫して制作するので、漆ならではの質感や触感の魅力はもちろん、木地の造形の面白さも魅力の一つとなります。本書には花器、茶道具の水差し、大鉢、酒桶、根来塗の盆、丸盆と生...