その舟を漕いでゆけ
ムサビ12号館前の広場に帆船が二隻。かの関野吉晴が「黒潮カヌープロジェクト」で制作し、航海した舟が無造作に置かれている。「かの」とは、「あのグレートジャーニー」という意味だけれど、今までの旅と違っている点は、初めて関野先生がムサビの学生をふたりクルーに迎えて、一緒に旅をしたことだ。(関野先生はムサビで人類学を担当しています)「若いときは一人旅をしたほうがいいよ」と学生にいつも諭していた関野さんが、どうして???今回の旅は、舟を造るところからはじまる。しかも、舟をつくる道具(斧やらノミやら)から自分たちの手でつくりだそうという壮大な計画。縄を撚るなんて当たり前、製鉄まで踏み込んでしまう。こうした...