小さな山椒魚
今週はじめ、遅い夏やすみをとって尾瀬ヶ原に一泊した。「尾瀬にいちども行ったことがない」というと、周囲の人に一様に驚かれた。尾瀬と云えば初夏、水芭蕉。いまの時期は「草紅葉」らしい。たしかに、草原がオレンジ色っぽくなっていた。ぐるりと山に囲まれた木道をとことこ歩くのは飽きてしまいそうだけれど、ゴールの山小屋が見えてくると惜しいような気がして、くるりと振り返りながら歩いた。360度ひろがる草原。人はほとんどいない。水芭蕉のハイシーズンには、気ままに立ち止まったりできないほどの混雑なのだそうだ。小さな山椒魚がいると聞いて、俄には信じがたかった。ところが、いたいた! ほんとだ。ひつじ草の下で、くねくねっ...