白石美雪『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が第20回吉田秀和賞を受賞
9月9日発表の第20回吉田秀和賞を、白石美雪『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が受賞いたしました。吉田秀和芸術振興基金が平成2年に創設した同賞は、「優れた芸術評論を発表した人に対して賞を贈呈し、芸術文化を振興することを目的」としています。 選評は次の通りです。
ジョン・ケージは何よりもまず「行為者として音楽」へと向かった音楽家だった。この視点から、著者はケージの風変わりな作品を精査し、とくに偶然性、不確定性の思想とのかかわりに着目して、その音楽が体現している音楽的なあるいは非音楽的な意味について周到な考察をめぐらす。各種の学術的成果を渉猟した研究書の体裁だが、音楽史、東洋思想とのかかわり、パフォーマンス論、メディア論と切り結んだ語り口は衒いがなく、音楽学的にも厳密をきわめ、著者のケージに対する人間的共感がにじみ出ている。ケージの全体像にせまった力作である。綿密かつ丁寧な仕事だ。
ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー
白石美雪(著)
ISBN978-4-901631-89-1 C3070
A5判仮フランス装/320頁
3,360円(税込)
(本体価格: 3,200円)
・2010年9月10日朝日新聞・朝刊「吉田秀和賞に白石さん」と掲載されました。
・2010年9月10日毎日新聞・朝刊「吉田秀和賞に白石さん」と掲載されました。
・2010年9月10日読売新聞・朝刊「吉田秀和賞に白石美雪さん」と掲載されました。
2010.09.16 更新