みる・かぐ・さわる

「図書新聞」3月1日に「共にヨーロッパ留学体験をもつ
彫刻家父子の往復書簡」と題して、松本夏樹先生が
『保田龍門・保田春彦 往復書簡 1958-1965』紹介を
書いてくださった。
サブタイトル「西欧近代との邂逅という『大きな物語り』
が父子二代の内に個的に再現される」がその内容を
ぴたりと言い得ている。
松本夏樹先生は龍門先生ご長女の子息、つまり孫である。
おじいちゃん子であった夏樹先生は、今や映像文化史の
研究者であるが、おじいちゃんのアトリエで過ごした
幼少期をそのアトリエの「匂い」で懐かしむ。
さらには、塑造原型に巻くシュロ縄や油粘土の手触りを
思い出すのだという。そして「今でも彫刻作品をみると
つい手を触れたくなってしまう」
昨年暮れ、龍門先生のアトリエでの展覧会に訪れた私は
幼かった夏樹先生の嗅覚・触覚を(勝手に)追体験した。

そして、凹山人が編集を担当した
大坪圭輔先生著『美術教育資料研究』と、ハムコ編集担当
三澤一実先生編『美術教育の題材開発』の見本が本日納品。
140227_1909~02
「下手な写真のせるなっ!」と凹山人に怒られそうだけど、
A5判で436頁と432頁のこの2冊を手にすると、
素材をじーっと見て、クンクン嗅いで、ぺたぺた触って……
そこにすべての始まりがあることを改めて確認した。

今夜の東京は、しとしと雨が降っています。
まだまだ寒いけれど、春の音がします。
[編集:ハムコ]

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