3月23日付のこのブログに、営業ずっちが
「変わった注文書」のことを書いています。この注文書、
どういうわけか海をわたって韓国・古印刷博物館に漂着。
博物館のおエライさんのお気に召したらしく、
「理事会で配布したいので15部を送れ」とのオファーありき。
韓国の人々の感心を得たのは、
グーテンベルクよりも韓国の「直指」のほうが古いと指摘した
酒井道夫は意外とまともな学者なのか?
という惹句らしい。
「直指(ジクジ)」とは、1377年に金属活字で印刷されたお経
「白雲和尚抄録仏祖直指心体要節」の略称です。
世界最古の活版印刷は1455年のグーテンベルク聖書である
と云われてきましたが、じつはそれよりも早く、
朝鮮半島で活版印刷は産声をあげていたわけです。
T大学出版会のT氏が、あるときこの「直指」の影印判を手に入れ
(この話はすごーく長い・・・ご興味ある方は「公共的良識人」
2010年2月1日号をお取り寄せください)
それを得意げに見せびらかすものだから、ハムコは身近なもの
として「直指」を認識し・・・
さて、酒井先生の「注文書」のキャッチ・コピーを
ずっちに頼まれたハムコ、いつものごとくノリで書き上げ、
すっかり忘れていました。
え? あれが韓国の博物館に「資料」として送られる??
永久保存だって???
ハッ!
酒井先生はホントに「直指」のことを書いてらしたっけ?
あわてて調べてみたら・・・
酒井道夫著『印刷文化論』(弊社刊 2002年 22頁)には
「活字を並べて文字組を制作するという発想は
グーテンベルクの専売特許ではない。実際に、朝鮮における
鋳鉄の活字はこれより二百年も前に実現していたらしい。」
とあるだけで、「直指」を取りあげているわけではない。
がちょ〜ん、誇大広告じゃん!
ずっちもハムコも、学内では「酒井弟子」といわれております。
今日、こうして出版人として喰えているのは酒井師匠のお陰、
師匠の本は1冊でも多く売れて欲しい、切なる願い、
出来心からの「誇大広告」。
関係各位、どうかご海容のほどを!
[ハム編]
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