『日本画と材料ーー近代に創られた伝統』の著者である荒井経先生が、所属されている文化財保存修復学会で本年度の「業績賞」を受賞されました(詳細は → こちら)。文化財保存修復学会は、文化財の保存に関わる科学・技術の発展と普及を図ることを目的とした学会ですが、『日本画と材料』の刊行により文化財保存修復分野への理解を進める上で大きく貢献したものと評価されての受賞となりました。誠に、おめでとうございます。
刊行から1年半以上経ち、書籍の流通面では大きな動きの見られない時期を迎えていますが、昨年末の「第28回 倫雅美術奨励賞」受賞(関連記事 → こちら)、そして今回の「第11回 文化財保存修復学会 業績賞」受賞と、あらたな読者がうまれるきっかけとなるようなうれしい出来事が度々あり、大変ありがたいことです。
本書では、画材の変遷でたどる「日本画」の来し方のむこうに、日本の近代史が浮かび上がります。「日本画」ってこういうものでしょ、という既成概念がゆさぶられるはず。研究書ではありますが、平易な文章と丹念な註で綴られている上に謎解きの要素などもあり、専門的な知識がなくとも面白く読み進められること請け合いです。未読の方は、是非!
(編集:凹山人)
コメント