2017(平成29)年と2018(平成30)年に幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の学習指導要領が全面的に新しくなりました。今後はそれぞれの学校の教科書や教育方法が変化していきます。これに連動して、日本中の大学の教職課程は、新しいカリキュラムがはじまっています。
弊社の出版物も、これを見越して、新しい教科書を送り出してきました。2018年刊行の『特別支援教育とアート』と2019年刊行の『総合学習とアート』は、教職課程新カリキュラムに対応した新科目の教科書です。また、2017年刊行の『道徳科教育講義』と2018年刊行の『新しい教育通義』も新しい内容に対応しています。現職教員の免許状更新講習の教科書でもある2019年刊行の『ファシリテーションの技法』も、新学習指導要領だからこそ必要となるアクティブ・ラーニングとなる造形ワークショップの技法です。
現在、さらに新しい学習指導要領に対応した数点の刊行計画が進行中です。ムサビ以外の数大学でも教科書として活用されている『新しい生活指導と進路指導』ですが、現在、新しい教科書の刊行を予定しています。
写真は、現在の教科書と、現在進行中で原稿のレイアウトを開始したレイアウト見本です。子どもたちの「生活」という概念も、新学習指導要領では、特別なニーズに対応した多様な対応が求められています。義務教育の機会の保障など、いじめ、不登校、ジェンダー、外国籍児童の対応などは、近年、法律もルールも常識も、大きく変化しました。そんなアクチュアルな子どもの生活にどう教師が関わるかが考えられる教科書です。
あ、失礼。ついつい、「子ども」と言ってしまいましたが、高等学校3年生にあたる18歳は、すでに公職選挙法上は主権者つまり「大人」として扱われています。さらに昨年の民法改正で、2022(令和4)年4月1日からは、18歳となった高校3年生から、「保護者」の存在しない、法律上の正真正銘の「大人」になるんですね。大人なので両親と関係なく民法上の契約も結婚も、自由で自分の判断で出来ます。すでに二十歳になってはじめて「大人」を経験した者としては、なんとなく、トラブルが起きそうな予感がしますね。そこで学校生活のみならず、社会に出るための生活指導が重要なのです。なお、今後も喫煙や飲酒は従来通り不可です、念のため。
そんなことも、含めて、生活指導の基盤は、本当に変化しているのです。
〔ケロT取締役〕
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