ムサビ鷹の台校は、4月19日まで学生は入構禁止となっている。
残念なことに、通信教育課程の卒業制作展も中止となった。
毎年のこと、作品集に掲載するため絵画の卒業制作は番号札を付して撮影する。
その後、画像と実際の作品の照合も毎年、展覧会の最中に行なっている。
いつも展示に使われている2号館。
今年はマスターキーを借りて、ひと部屋ずつ、誰もいない展示会場に入って、1点ずつ確認する。
静かすぎる。
例年ならば、家族や友人を引き連れて誇らしげに自作を語る人がいたり、逆に恥ずかしそうにしている人がいたり、大はしゃぎで記念撮影をする人もいる。
いずれも微笑ましく、心の中でおひとりずつに「ご卒業おめでとうございます!」と言うのだが・・・
誰もいない。
3月16日、打ち合わせで鷹の台校へ。
すると驚いたことに、晴れ着姿の女学生が正門前で代わりばんこに写真を撮っている。
それもひと組ではない。次々と。
そうだ、今日は卒業式。いや、その予定だった。
なんと痛ましい光景だろう・・・
「一生に一度」という言葉は、どこか胡散臭いと思っていたが、それは間違っていた。
ほんとうに「一生に一度」があることを思い知る。
そして、絶対に新型ウイルスに負けてはならないと思い直した。
(編集:ハムコ)
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