ここ1カ月の私の底辺にある仕事は、サーバの中身の移動。
紆余曲折あり、社内LANでつながっていたNASサーバを廃止して、本学のサーバに保存場所を与えてもらえることになったため、せっせとファイルを移動させている。
同じ容量をいただいているので、そのままコピーすればよいものだろうけれど……。これは、実人生の引っ越しと同じ。判断を保留にして、整理する、捨てるという決断を先送りにしていたファイルを一掃するチャンスでもあるのだ! と意気込んで、なかなかスムーズにいかない。
昨日は、あるファイルを目にして、開いてしまった(←片付けていると思い出の品を手にするたび、手は止まり、想いはかけめぐる)。
DSC_0092.JPG、DSC_0093.JPG(変更日:2009年5月12日)
2009年! 武蔵野美術大学80周年記念の年で、刊行点数が最多の年(←いいわけですが、非売品の刊行物も多々制作しております)。てんこもりの2009年! それだからこそ、こんな日があったんだ! という写真を開いてしまった。
それは。
白石美雪先生著『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』の図版のために、編集担当のt:eehが「デュシャンの大ガラスを撮影しなければならない! 人と一緒に写して大きさがわかるようにしなければならない! 東大の駒場博物館に行かねばならない!」(結果は『ジョン・ケージ』p.181を見てね)といい、手を上げた3人がモデルと撮影と撮影助手、みたいないいわけをつくって、でかけた半日があったのだった。
その3人とは、もちろん野次馬的に手をあげる私、そして、編集:ハムコ、Sさん。Sさんは、当時一緒に働き、MAU GOODSの礎を作った人。定番のクロッキー帳をはじめ、てぬぐいのコンペを仕切ったほか、数々のコピペすればあとはつくれるという、そのもとをつくってくれた人。なにより向井周太郎先生の『デザイン学 思索のコンステレーション』の編集を担った……などなど、懐かしいなあ。
うっかり開いてしまったファイルは帰りがけに、かわりばんこに3人で撮影した写真で、当たり前だけれど、皆とても若い(笑)。
そんないろいろで、コツコツと積み重ねて出来上がった刊行物を、粛々と記録した「MAUP20周史」(仮)を制作したいと、初校まではできあがっているのだが。
[制作:呑猫]
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