「書影(しょえい)」という言葉を私の周辺では当たり前のように
使っていますが、一般にはなじみがないようで
「え? なんのこと?」と聞き返されることがあります。
『大辞泉』にも載っていないということは、業界用語かも。
何のことはない、本を撮影したものを「書影」といいます。
本なんて、テキトーに立てて、ナナメから写しゃいいんでしょ、
と思われるかもしれませんが、が、とんでもないことです。
ただ撮るならできますよ、でも、やっぱり美人に撮って欲しい
ではありませんか(本も同じ!)
できれば性格のいいところも表現したいし・・・
撮ってからの補正も腕の見せどころです。
もちろん、大枚はたいて(?)プロカメラマンに依頼すれば、
苦労なんてしませんが、編集者が苦心して撮ることしばしば。
今朝の通勤電車で、となりの人の読む新聞に
「113年間で一番暑い夏」という見出しをみつけて
「ほー」と感心した一方、自分の手にしていた新書の写真にも
「ほほー」と感心しました。
黒岩比佐子著『食育のススメ』(文藝新書)の14ページ。
ただの書影なんだけれど、実によく撮れている。
5×5.5センチの中に、1903年から2005年までに出版された
『食道楽』20冊がおさまっている。
近年の岩波文庫から金文字の背をもつ箱入りヴァージョンまで、
それぞれの特徴が小さな矩形のなかで、きちんと表現されている。
うーん、これはスバラシイ。なかなかこうは撮れない。
あ、夏が終わったんだわ。
[編集:ハムコ]
コメント
ハムコさん、
小川三夫(鵤工舎主宰)の『棟梁』という本を読んで、はたと思ったんじゃけど、酒井先生は「鵤工舎」についてどう考えておられるのか、在学中に通信のWebフォーラムで聞いておけばよかった、と思ったんじゃ。
先生は建築に詳しいし、草思社の『木のいのち木のこころ』シリーズの装丁者はムサビに近い人じゃと、ハムコさんか先生から聞いたと思うんじゃ。
まあ、こういうところで個人的なお願いをするのは何なんじゃけれど、このブログでそういう話題をしてもらうと参考になるな。
草思社の『木のいのち木のこころ』シリーズの話は、ハムコでは
ありませぬ。
酒井先生は「鵤工舎」についてどう考えておられるのか?
・・・分かりませぬ。
お役にたたずにスミマセン。