素晴らしい吉報が届きました。
白石美雪著『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が
第20回吉田秀和賞を受賞しました。祝! 祝! 祝!
吉田秀和賞は優れた芸術評論を発表した人に対して贈られ、芸術文化を振興することを目的とした賞です。たいへん名誉な賞で、一報が届いてからあたふたあたふた、じっくりと喜びに浸る余裕もありません。
この本を読めば、ジョン・ケージがユーモアに溢れ、愛嬌のある人であり、音楽に対して常に真摯であり、深く愛した人であったことがわかります。
いただいた選評を転載します。
ジョン・ケージは何よりもまず「行為者として音楽」へと向かった音楽家だった。この視点から、著者はケージの風変わりな作品を精査し、とくに偶然性、不確定性の思想とのかかわりに着目して、その音楽が体現している音楽的なあるいは非音楽的な意味について周到な考察をめぐらす。各種の学術的成果を渉猟した研究書の体裁だが、音楽史、東洋思想とのかかわり、パフォーマンス論、メディア論と切り結んだ語り口は衒いがなく、音楽学的にも厳密をきわめ、著者のケージに対する人間的共感がにじみ出ている。ケージの全体像にせまった力作である。綿密かつ丁寧な仕事だ。
しばらくしたら受賞記念の帯を付けて書店に並びます。晴れ姿を見てやってください。
そういえば今日は重陽の節句でした。
ほんとにめでたい日となりました。白石美雪先生、おめでとうございます。
編集:t:eeh
コメント