8月4日、日比谷図書館で大学出版部協会夏季研修会がありました。
この日の午後は、慶應義塾大学出版会から刊行された『杉浦康平と写植の時代 光学技術と日本語のデザイン』のケーススタディ。
著者である阿部卓也先生と担当編集者の上村和馬さんが、この御本ができるまでを「語りおろす」という豪華な研修!
せっかくの機会なので、御本を読了して臨まねば・・・読みやすい文体なれども、488ページの力作大著。じつは4日前から読み始め(遅いんだよ)、ついに当日の朝は5時起きで、通勤特快の中でも読み続けてギリギリ読了。
いやぁ、面白い。カメラがパンするかのような場面展開!と思っていたら、本当に阿部先生は映画からの影響をかなり受けているという「告白」もあり、、、ともかく阿部先生のお話の熱量たるや凄まじい。こうでなければこの御本は書けない。
そんな話までしていいの?という勢い。一方、担当編集者カミカミ(と私たちは呼んでいる)は、もともと寡黙な人なので、ますます押し黙っている。その対比も面白い。
阿部先生が冒頭に「皆さんの中で、実際に写植で仕事をしたり、見たことのある人はいますか?」と聞かれ、20人ほどの編集者の中、手を挙げたのはハムコを含めて4名。そのうちの2人はOBOG。この4人がたまたまかたまって座っており、すっかり長老席だわ。ヤァねぇ。
今や「しゃしょく」といえば「社食」しか思い浮かばない時代だけれど、「写植」がないと作れないものがたくさんありました。
その写植を創り出した「写研」と「モリサワ」の社史をなぞりながら、ブックデザインを検証する。実にスリリングな書籍です。
暑い夏は、じっとお家で読書です。それにぴったりな御本です。
(編集:ハムコ)
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