この3月末をもってムサビをご退任された大坪圭輔先生の著書『美術の教育 多様で寛容な「私」であるために』の一般販売が、本日より始まりました!
本書では、中・高での美術教育、大学での美術科教員養成の現場に長年にわたり立たれてきた先生が、美術の教育がこれからの社会にどう関わり、どう機能し得るのかについてさまざまな視点で考察されています。ご自身がムサビOBであるためか、先生の思考の根底には一貫して「自らの手でつくる」ということがあると感じられます。デジタルであふれ、何をやるにも便利な世の中になればなるほど、一見時代に逆行するような手作業を前提とした考え方が重要になるということでしょうか。いずれにせよ、美術や美術教育への興味のあるなしにかかわらずあらゆる読者にとって、これからの美術の教育を考えることを通して、各々にとってのより良い世界を思い描くきっかけになるものと思ます。語り口は静かですが、熱い思いに裏打ちされた未来への提言を是非ご一読ください。
ちなみに、ジャケットや各章の扉の挿画は大坪先生の作品です。全体のデザインは『絵画の材料』『ずっと人間描かれ』『絵画の表現』『ペラペラの彫刻』などなど、多くのMAUP既刊本でもお馴染みのデザイナー馬面俊之さんによるものです。ご覧の通り、装丁は落ち着いた佇まいに仕上がっていますが、実はこの本、脱いだら……。是非、実際にお手にとってご確認ください。
(編集:凹山人)
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