今日は寒いですね。
天気がよくて、寒い。
いよいよ東京の冬がやってきた感じです。
この季節になると家のまわりではよく「ヒッ、ヒッ」という鳥の鳴き声が聞かれるようになります。
私は、あー今年もやって来たなぁと思うわけですが、みなさんはどんな鳥かご存知ですか?
答えは「ジョウビタキ」。
他の多くの鳥同様、雄がカラフルで雌が地味。
雄は、頭はグレー、胸は橙色、顔と背中は黒という、派手と言えば派手、でも実にシックな装いなのです。
で、雄雌共に背中に左右一対白い斑があり、別名「紋付鳥」とも呼ばれます。
冬に渡って来るわけですが、市街地にもよく姿を見せてくれます。
どちらかと言うと、あまり人を怖がりません。図太い性格のようです。
そして、シーズン限定滞在者なのに、滞在中ずっと縄張りを主張します。
見かけによらず、激しい性格。以前、停まっている車のサイドミラーに映った自分にむかって攻撃しているのを見かけました。これはよく知られた習性なのですが、実際この目で見たときは驚きました。
棒杭やアンテナなど、見晴らしのきくところによくとまっているのですが、頭をひょこひょこしたり尾を細かく振る習性があります。
まぁつまり、性格といい行動といい、その見てくれのシックな感じからはかけ離れた、ずうずしくて粗暴で落ち着きのない奴なのです。
でも、特にこの季節の光のなかで見るからなのかもしれませんが、実にきれいですよ。
ふだん関心を持たれていない方は、身近にこんな鳥がいると知ったら驚くのではないでしょうか。
内面はどうあれ、そんなきれいな鳥ですから、ジョウビタキは絵に描かれてもいます。
一番有名なのは、菱田春草の「落葉」でしょうか。
ご覧いただければおわかりの通り(わからない?)、主役という程大きく描かれているわけではありません。むしろ、ちっぽけ。でも、居るのと居ないのとではだいぶ絵の味わいが変わるという意味で、存在感充分です。
絵のなかの話だけではなく、何でもない景色にふっと鳥がはいってくるだけで、その景色全体が生き生きとすることがあるから不思議です。
「ヒッ、ヒッ」という声が聞こえたら、是非注意して見てみてください。
(編集:凹山人)
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