『ラジオの歴史』法政大学出版局

A5判上製、本文359頁、図版457点、索引と文献資料31頁。

サブタイトルは「工作の〈文化〉と電子工業のあゆみ」

ずしり、思い本、いや、重い本である。

 

著者のお名前、高橋雄造先生よりも、その内容よりも先に

本の仕様を書いてしまったのは、この本の組版を担当された

秋田公士さんのことを書きたいからだ。

秋田さんは法政大学出版局の編集者。定年退職により

勇退されたのだが、未だこのような大著を世に出すお仕事を

続けておられる。

秋田さんがすごいのは、編集者としての力量プラス、

いちはやくDTPを取り入れたこと。

しかも、「なぜDTP?」と問われると、迷わず

「好きだから、面白いから!」とお答えになるところだ。

(このアマチュア精神こそが、「ラジオの歴史」すなわち

「ラジオ少年」への思いに通じている)

 

最初は広告作りの版下だけ、それがチラシ、パンフ、

やがて本の目次だけ、索引だけ・・・

「こっそり」組んでいたという!

そう、目次の組版はとても難しい。

オペレータに言葉(赤ペン)で伝えるより自分で組みたい!

・・・わかるなぁ。

 

秋田さんは「オペレータに言葉(赤ペン)で伝える」作業が

不要になることこそDTP最大のメリットと書かれた。

え? どこに書いてあるかって?

いま大学出版部協会の編集部会でつくっている

「編集マニュアル」に書いてあります。

この貴重なマニュアルが非公開なのはもったいないけれど。

[編集:ハムコ]

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