友人からメールありき。
件名「兵馬俑はすごかった」
ああ、中国へ行っていたのか、
と思いながらメールをひらくと
「暑くなってきたからビールを呑みに行こう」
というお誘いだった(暑い寒いも、実は関係ない)
土産話が面白そうだとさっそく会ってみると、
兵馬俑に行き着くまでがいかに遠く大変な道のりだったか、
その苦労話に終始し、さいごに一言
「やっぱり兵馬俑はすごかったよ」
で、話は終わってしまった。
こちらも「ふーん」と言ってビールを呑んだ。
その直後、田辺聖子『主婦の休暇』(文春文庫 2013年)
「兵馬俑の男たち」をたまたま読んだ。
これは大阪城築城400年まつり(1983年)で特別展示された
11体の兵馬俑を見たおセイさんの感想である。
「廉直一本槍、武力一辺倒という乃木大将みたいなんは
あかんなあ」と、さきの将校を軽侮している。
1体ごとの個性が田辺聖子風に描写され、
それがまたよく分かるのである。
やっぱり小説家はすごいなぁ。。。
そしてある日、ムサビ美術館へ。
いつものことだが、展覧会タイトルもろくろく見ずに、
ぶらりと立ち寄る(これがムサビのいいところ!)
1階で、戸谷成雄先生の〈森〉に遭遇。
わ、まるで兵馬俑!
たしかに「木」なのだけれど「人」に見えてしまう。
圧巻は、彫刻の奥にひっそりとエスキースが
展示されていることだ。
一体ずつの「木」がハガキ大の紙片に描かれている。
やっぱり彫刻家はすごいなぁ。。。
この展覧会のタイトルはなんと「墓は語るか」
8月10日まで開催です。
エスキースをお見逃しなく!
http://mauml.musabi.ac.jp/museum/archives/6487
[編集:ハムコ]
コメント
10行目で大いにずっこけたものの、ハムコが見せてくれたおセイさんの兵馬俑展観エッセイにて、なーるほどと納得。
彫刻はもちろんのこと、「墓は語るか」というタイトルもかっこいい。見にゆかねば!!