5月の大学出版部協会50周年記念講演で、
亀山郁夫先生のお話を聞く機会があった。
ドストエフスキーの新訳が大ベストセラー!
と聞いても、どうもロシアものは苦手・・・
(正直に言うと、登場人物の名前が覚えられない)
しかし、その講演の中で
「こんど新潮文庫から『偏愛記』が出ます。これは
ぼくの一番好きな本で、以前に日経新聞出版から刊行
されたのが文庫になるのです」
という言葉がのこっており、先日、ついに本屋で購入。
(立ち読みしてみて、これなら読めそう!と思った)
買うときにレジに並んでいて、やはり買うまいかと
ちょっと躊躇したのは、そのカバーのせいである。
蝋人形のドストエフスキーが、くらーい顔で手前にいる。
じつに、辛気くさい顔である。
しかも、そのおでこはピカッと光っている。奥には窓があり、
窓辺には亀山先生がこちらを向いて立っている。
よくみると蝋人形と亀山先生のあいだには緞帳のような
カーテンがある。いまはあいているけれど・・・
うーん、この蝋人形、なんだろ?
とにかく購入して、帯をはがしてみると
「カバー人形制作・写真 石塚公昭」とある。
グーグルで「石塚公昭」をさっそく検索。
ちっとも知らなかったが、人形作家である氏は、
自作の人形を自分で撮影する写真家でもあるようだ。
ジャズ・ミュージシャン、小説家・・・モデルは実在の
人物が多いようだ。しかも蝋人形ではないようだし、
机のうえにのるような小さな作品であるらしい。
ふーむ、亀山先生のコレクションなのかな。
読む前にこれだけ楽しめる文庫の表紙は珍しい。
[編集:ハムコ]
コメント
大学出版部協会50周年記念では
亀山郁夫先生のお話を拝聴できるとハリキッて出かけたものの、
私の所属する営業部隊はアテンド・受付・お土産作りで
鞭(?)打たれていました。
編集者はやはり著者のお話を吸収するのがお仕事!
うらやましいです。
新潮文庫『偏愛記』知りませんでした。
ぜひ購入したいと思います。
ロシア文学に詳しくないのですが、
極私的な趣味でいいますと、
ロシア文学異端児ミハイル・ブルガーコフの
『犬の心臓』が私の10数年来のマイ・フェイバリッド本です!
http://urx.nu/4rgE