このところ空気が澄んでいるのか乾燥しているせいなのか、夕暮の空はもちろん深夜の月と星の光がたいそう冴えていて、皓々とした月星の光を浴びながら家に帰ると、目を皓々(爛々と?)と輝かせた猫が待っている。
遊ぼう!! 多分そう言っている。で、約1時間近く、猫との追いかけっこが始まります。
1階から2階へ、2階から1階へ。猫は走り(ジタバタ走る)台所の椅子をジャンプ台にして食器棚の上に飛び上がり、高いところから睥睨します。「わたしはえらい」と言っている気がする。
食器棚と冷蔵庫と食品庫が横並びになった約3メートルの「高い場所」は猫のお気に入りで、ピンクのカバとか、ただの紐とか、お気に入りのおもちゃをしまい込んでます。
おもちゃを蹴散らしながら、右へ左へジタバタジタバタひとしきり大騒ぎし、で、不意に何かを思い出したように、壁を見つめて動かなくなります。
蜘蛛を探しているのです。蜘蛛がその場所にいたのはずいぶん前、t:eehの記憶では5年は経っている。なのに、猫は忘れない。同じ場所で、同じ状況で、かつて「そこ」にいたものを思い出す。
思い出すというか。猫が5年前のことを思い出したとしたら、それは「さっき、いま」のことなのかな?
あのね蜘蛛はもういないよ、と声をかけながら、猫って達人、とちっちゃく感動するt:eehです。
「いまこの瞬間」に没頭してというか完結して、明日を思い煩わず、昨日を悔やまず、シンプルに「いま、目の前」に生きる猫。
というわけで、いまt:eehの目の前には、デザイナーから届いた44ページのレイアウト用紙があります。約1100冊書誌データとその他諸々の情報群を組んだ初稿です。これに目を通して赤字を入れるという作業を目の前にしているわけです。気が遠くなるなぁ、と思ったり。
これはもう猫みたいに「いま」に没頭して「いま」を積み重ねて44ページを突破するしかないと、腹を括る未熟な生きものt:eehでした。
編集:t:eeh
コメント
猫は、夏の扉の前に、いつも座っているよ。
読みましたか!? 猫のピート、だったかな。何度読んでもいとしい本です。