日常の業務

外題替えの恐怖

書籍のタイトルを考えることは、出版社の責務である。この出版局でも出版直前まで大いに議論することが多い。現在では背も表紙も、扉も奥付も、すべて同じタイトルというのが常識で、そうでないと読者も流通関係者も困ってしまう。 近世から明治の初めまでの和本の世界では、外題換え(げだいがえ)は普通だった。本文冒頭のタイトルと、表紙の題簽(だいせん)のタイトルが違うのである。さらに見返(みかえし)のタイトルまで違うものがある。外題をかえるのは出版者の判断で、それでも本文のタイトルはそのままにしておくという棲み分けである。出版の統制と商業化のなか、この時期に広く見られる文化現象であり、著者の意図を反映した本文の...
刊行・販売案内

カウンターパンチ

アマゾンにも告知が出ましたが、『カウンターパンチ16世紀の活字製作と現代の書体デザイン』がいよいよ刊行間近です。さらに、著者フレット・スメイヤーズさんが来日され、小平市鷹の台の武蔵野美術大学で公開講座があります。11月10日月曜日16時30分〜18時まで。もちろん学外の方も自由に聴講できます。そして。ものすごくかっこいいポスターとフライヤーが白井敬尚形成事務所から届きました。ここでご紹介するのはするのはA4サイズのフライヤー画像ですが、ポスターはB2サイズ。見とれちゃいます。デザインは、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科の吉富ゆいさん、森本純愛さん、遠藤隼人さん、長谷川文香さん、大國綾子さんで...
ひとりごと

MAUP風物詩

気がつけば10月も今日で終わり。ハロウィン? 実際の行事としては未だに馴染みないなぁ。明日から連休ですが、週明け4日からは毎年お世話になっているDTPマスターMさんがいよいよ登場。これこそまさにMAUP風物詩、ハロウィンなんてまだまだ。そういう時期になったのだなぁ、と実感させてくれます。当然いろいろと慌ただしくなってきました。新刊『カウンターパンチ16世紀の活字製作と現代の書体デザイン』の刊行も間近。『必然的にばらばらなものが生まれてくる』もあわせて、関連イベントにむけて準備も着々。そして教科書、学修指導書、手帳の製作などなど。毎年のこととはいえ、心してかかりたいと思います。風邪などひいていら...
日常の業務

オリオン書房しおりコンぺ、形になる!

オリオン書房ルミネ店さんで開催した「ムサビしおりデザインコンペ」の特賞を今秋、形にします! というお約束。昨日、ついに達成、完成しました。左3点(3種類で1点の応募規定)が、デザインコンペ特賞、通信教育課程 ゆうさんの作品「星空」です。3種類のうち1点は、オリオン書房さんの販促になるように裏面をつくろうと、もともと考えていましたが、店名にぴったりの作品が選ばれました。投票してくださった皆さんのアンケート集計をしていた夏、「青がキレイ」「青がすてき」という声がとてもプレッシャーに。印刷でどれだけ再現できるか、納品になるまでドキドキしていました。ちなみに右2点は、独自に企画。印刷する際の面付けを考...
いぬ・ねこ・かえる

新刊いろいろ。

『必然的にばらばらなものが生まれてくる』刊行からはや、二ヶ月経とうとしています。10/19は読売新聞で、青木淳さんに書評していただき、おかげさまで大好評です。田中さんと清水知子さんのジュンクトークイベントもあっと言う間に定員いっぱいに。担当者として、嬉しいことばかりです。さてさて、編集ハムコのブログにもありますが、フレット・スメイヤーズ著,山本太郎監修,大曲都市訳で『カウンターパンチ16世紀の活字製作と現代の書体デザイン』が11月25日に書店発売予定です。いよいよです。これもデザイナーさんや、タイポグラフィ関係者、出版関係者や通好みの名著となっています。お楽しみに![営業ずっち☆]
刊行・販売案内

新色

芸術祭にお越しくださいましたみなさま、ありがとうございました。寒くも暑くも台風もなく、芸祭日和でしたね!いろんな作品がいろんなカタチでありました。物質的なものに生命が与えられたと同時に、作品を見ている、聞いている、感じている私たち側にも、感覚に新たな生命を与えられる…。そんなお祭りを楽しんでまいりました。ご紹介が遅れましたが、NEWグッズのご案内をさせていただきます。ご愛顧いただいております「ミニクロッキー帳」に、ライトグレーが加わりました。こちらもぜひ、よろしくお願い申しあげます。一緒に映ってるカボチャのオバケは幻覚じゃありません。芸祭出店時に、いつも看板‘カボチャ’をしてくれています。ちょ...
いぬ・ねこ・かえる

大曲都市訳『カウンターパンチ』 (5)

できあがったばかりの本は、たいていは10冊単位でクラフト紙に梱包されて、製本所から版元に届く。「納品でーす」と、この包みがテーブルに置かれてもその梱包をすぐにあけることができない。誰かにあけてもらって、そっと後ろからのぞきこむ。制作担当の呑猫が、きちんと座って1ページずつ繰る。奥付まで確認して「はい、ノンブルは通っています」という声を聞いてから、恐る恐る手に取る。手にした瞬間、本がすーっと宙に浮く。ああぁぁ、これで、もうわたしの手からすっかり離れて、遠いとおい見知らぬ読者のもとに行ってしまうのだ!こんな話はカメラマンの山田能弘さんにしたことはない。にもかかわらず、その瞬間を切り取ったような書影...
ひとりごと

うらの顔

書影といえば、表1。おもての顔ですよね。手にした人など限られた、多くの目にふれられない表4だって、本当は顔。その、うらの顔に悩んでいます、個人的に。母の生誕*年(今年)の記念に、母がこれまで詠んできた短歌をまとめて1冊にすることにしました。「wordに、とにかく入力しておいて。データもらったら、私が素敵に組んで形にするから」と、かれこれ1年前くらいに母にいいわたし、本当はサクッとくるみ製本で形にしようと思っていたのですが、「入力できたよ」といわれたのが今年の春先。そうこうしているうちに、せっかくだから、誕生日記念にしよう、もうちょっと本らしくしようと思い立ったところ、弟も出資するといってくれ、...
大学出版部協会

【大学出版部協会】図書館総合展へ出展!

大学出版部協会では11月5日(水)から、パシフィコ横浜にて開催します第16回図書館総合展へブース出展いたします。(イベントなどは、11/2(日)から開催しています)加盟31大学出版部のおすすめ書籍をご覧いただけます。図書資料の収集について、お悩みや御相談はありませんか?刊行年ごとの書籍情報をリストにして、お渡ししたり、書籍のジャンル毎の見計らい納品など、大学出版部協会では可能です。ブースのスタッフにお気軽にお声掛けください。また11月6日(木)13時より、別会場にて、大学出版部協会と活字文化推進会議共催のフォーラムを開催します。皆様のお来場をお待ちしております.「本で再構築する大学と社会の学び...
ひとりごと

「合かく」

芸術の秋というわけでもないでしょうが、ここのところセブン坊主は、毎日せっせと何か描いたり、つくったりしています。電気トビウオの生態を克明に書き込んだ図鑑やら、すべり台付き漁船型スペースシャトルやら、ちょっと大人は発想できない造形センスを見せてくれます。ただ、あーこうすればもっと面白いかもだの、きれいにつくれるのにーなんてことをついつい言ってしまうダメな父親。放っておけばいいんですけどね、つい。でも、そんな余計な口出しをセブン坊主は結構聞いてくれて、いいねぇなんて言ってくれるから調子にのってまたどんどん言っちゃうダメな父親。一昨日、とーさん目をつむって、というから目を閉じるとお腹のところにペタペ...